サービスとホスピタリティ。
人とホスピタリティ研究所所長
前リッツ・カールトン日本支社長 高野 登さんの講演より・
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想像してください。
あなたの目の前に大きなカーテンが閉まっています。
カーテンの向こう側に三人の方が座っています。
その3人から
「ハサミを使いたいのですが、貸していただけませんか?」
と声をかけられました。
それで、あなたは家で使っているハサミを持ってきて
「どうぞお使いください」と声をかけたのです。
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カーテンが開くと、
一人は交通事故で右手を失った少年でした。
皆さんが準備したのは右利き用のはさみです。
もう一人は目の不自由な婦人でした。
皆さんが準備したのは鉄製の鋭利なハサミでうっかり触ると手を切ってしまいます。
もう一人は3歳の女の子でした。皆さんが用意したのは
大人用のハサミです。
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ハサミを準備する、というサービスは完璧に3人に届けられています。
にも関わらず誰からも感謝をされない事態が起こってしまいました。
ハサミを準備する=サービス
どうやって準備しようか?と考えるプロセス=ホスピタリティ
このどちらも大事なのです。
これは極端な例ですが、学ぶことは多いと思います。
伝え方は100人いれば100人とも違いますから
ホスピタリティになった瞬間、マニュアルを一切消し去ります。
観察力、想像力、提案力、表現力をフル回転し
目の前の相手と向き合うのです。
もちろん指示をされたら、誰でも出来ます。
言われる前に自分から一歩だけ寄り添い、
「今日はこの相手にどのような準備をしたらよいのかな?」と
考えるプロセスが大切なのです。